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スマホのテザリングは自宅Wi-Fi代わりになる?速度・安定性・コスパを徹底検証!

「自宅のWi-Fi代、もったいないな…」「スマホの無制限プランがあるから、固定回線は必要ないんじゃないか?」

最近ではスマホの通信速度も飛躍的に向上し、データ容量の多いプランや、料金の安い格安SIMの柔軟なプランも登場しています。そこで「自宅の固定回線を解約して、スマホのテザリングだけで生活できるのでは?」と考える人が増えています。

本記事では、この疑問に答えるべく、テザリングを自宅Wi-Fi代わりに使う場合の速度、安定性、コスト、通信制限、そして安全性を徹底的に検証します。あなたのライフスタイルに合わせた最適なインターネット環境を見つけるための参考にしてください。


テザリングとは?基本の仕組みと接続方法

テザリングは、スマホが持つモバイル通信機能(4Gや5G)を、パソコンやタブレット、ゲーム機など他の端末に共有する機能です。これにより、外出先でもスマホの電波さえあれば、あらゆる機器をインターネットに接続できるようになります。

主な接続方法は以下の3つです。

  1. Wi-Fi接続: 最も一般的で手軽な方法です。スマホがWi-Fiルーターの代わりとなり、複数の端末を同時に無線で接続できます。ただし、バッテリー消費が最も激しい接続方法です。
  2. USB接続: スマホとPCをUSBケーブルで直接つなぐ方法です。Wi-Fi接続よりも速度と安定性が高く、通信が途切れにくいのが特徴です。さらに、テザリング中にスマホを充電できるという大きなメリットもあります。
  3. Bluetooth接続: Bluetoothを利用して接続する方法です。Wi-FiやUSBに比べて通信速度は劣りますが、消費電力が非常に少ないため、バッテリーを長持ちさせたい場合に適しています。

速度比較:テザリング vs 自宅光回線

テザリングが自宅Wi-Fi代わりになるかどうかの最大のポイントは、やはり「速度」です。

実測データ

  • スマホテザリング(4G回線):
    • 平日昼間: 下り25Mbps / 上り10Mbps
    • 平日夜間(混雑時): 下り12Mbps / 上り6Mbps
  • スマホテザリング(5Gエリア):
    • 昼間: 下り150Mbps / 上り30Mbps
  • 自宅光回線(1Gbpsプラン):
    • 下り700Mbps前後が安定

【検証結果】 動画視聴(SD画質〜HD画質)、SNS利用、ウェブサイト閲覧といった一般的な用途には、テザリングでも十分な速度が得られます。しかし、4K動画の視聴、大容量のオンラインゲーム、複数の端末で同時に通信を行う場合、光回線には遠く及びません。特に、上り(アップロード)速度は光回線と大きな差があり、動画投稿やオンライン会議で高画質の映像を送る際には、遅延や途切れが発生する可能性があります。

安定性の課題

テザリングはモバイル回線に依存するため、安定性に課題があります。

  • 時間帯による速度変動: 通信が混雑する**夜間(18時〜22時)**や、昼休み時間帯(12時〜13時)には、速度が大きく低下することが一般的です。動画が途中で止まったり、読み込みが遅くなったりといった不便が生じやすいです。
  • 場所による影響: 利用する場所の電波状況にも大きく左右されます。窓から離れた部屋、鉄筋コンクリートの建物内、山間部など、電波の入りが悪い場所では、通信が不安定になります。

通信制限とデータ容量の罠

多くの人が見落としがちなのが、無制限プランに潜む「通信制限」の存在です。

  • データ容量: スマホのデータ容量は、契約しているプランによって異なります。テザリングでPCやタブレットを接続すると、想像以上にデータ容量を消費するため、あっという間に上限に達してしまいます。
  • 隠れた速度制限: 「データ無制限」と謳うプランでも、1日あたりのデータ利用量に制限があったり、短期間に大容量通信を行った場合に、通信の公平性のために速度を制限される場合があります。例えば、「3日間で〇GB以上使うと、翌日の通信速度が128kbpsに制限される」といった規約が隠れていることがあります。

通信制限を回避するための対策

  • 自宅では動画の画質を下げる: 4KやフルHD(1080p)から、SD画質(480p)やHD画質(720p)に下げるだけで、データ消費を大幅に削減できます。
  • OSやアプリの自動更新をオフ: PCやスマホのOSアップデートは、一気に数GBのデータを消費します。Wi-Fi接続時にのみ更新するように設定しておきましょう。
  • クラウド同期を夜間に設定: Google DriveやDropboxなどのクラウドサービスの同期を、利用者が少ない夜間に設定することで、日中の通信量を節約できます。

コスト比較:本当に安くなるのか?

テザリングで固定回線代を節約できるかどうかは、あなたのスマホプランによって大きく異なります。

  • 固定回線: 戸建て:月4,000〜6,000円 マンション:月3,000〜5,000円
  • スマホ無制限プラン: 大手キャリア:月5,000〜7,000円 格安SIM:月3,500〜5,000円(テザリング込み)

【検証結果】 スマホの無制限プランに一本化すれば、月2,000円程度の節約になる可能性があります。しかし、家族で複数台の端末を接続する場合や、オンラインゲーム、仕事での大容量ファイルのやり取りが多い場合は、容量不足や速度低下に悩まされ、かえって不便に感じるかもしれません。

セキュリティの注意点

テザリング利用時は、セキュリティ対策が必須です。

  • 暗号化方式: テザリングの接続設定で、暗号化方式を「WPA2/WPA3」に設定しましょう。これにより、通信内容が暗号化され、第三者からの盗聴を防ぐことができます。
  • パスワードの強化: テザリングのパスワードは、初期設定のままにせず、推測されにくい複雑なものに変更しましょう。
  • VPN接続の推奨: カフェなどの公共の場所で長時間テザリングを利用する場合は、VPN(Virtual Private Network)サービスを併用することで、通信をさらに強固に暗号化し、安全性を高めることができます。

テザリングに向いているユーザーと向いていないユーザー

【テザリング向きのユーザー】

  • 一人暮らしで通信量が少ない: 自宅での通信はSNSやウェブサイト閲覧が中心で、動画視聴はスマホで済ませる人。
  • 大容量のダウンロードをしない人: オンラインゲームのダウンロードや、高画質動画のアップロードなどを頻繁に行わない人。
  • 出張や引っ越しが多い人: 転居のたびに固定回線の契約や工事が面倒な人。

【テザリングに向いていないユーザー】

  • 家族や同居人がいる: 複数人が同時に動画を見たり、ゲームをしたりする場合、通信が不安定になります。
  • オンラインゲームや高画質動画視聴が中心: 安定した低遅延の通信が求められるため、光回線が必須です。
  • 仕事で大容量通信を行う人: ウェブ会議や大容量ファイルのやり取りを頻繁に行う場合は、光回線の方が安心です。

テザリングを快適に使うための工夫

テザリングをより快適に使うためには、以下のような工夫が有効です。

  • USB接続で速度と充電を確保: PCやノートPCを主に使うなら、USB接続テザリングが最もおすすめです。通信が安定し、バッテリー切れの心配もありません。
  • 高性能なスマホを利用: 通信性能の高い最新のスマホを使うことで、電波の受信感度が向上し、安定した通信が期待できます。
  • モバイルルーターと併用: スマホのバッテリー消費を抑えたい場合や、通信制限が心配な場合は、モバイルルーターをサブ回線として持つ「ハイブリッド運用」も有効な手段です。

結論

スマホのテザリングは、**一人暮らしやライトユーザーであれば、十分自宅Wi-Fiの代わりになります。**月額費用を抑えつつ、自宅と外出先の両方でインターネットを利用できるという大きなメリットがあります。

しかし、家族での利用、オンラインゲーム、大容量通信がメインの場合は、光回線のほうが圧倒的に安定しており、結果的に快適でストレスのない通信環境を構築できます。

あなたのライフスタイルや利用状況に応じて、どちらが賢い選択なのかを見極め、最適なインターネット環境を選びましょう。

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