スマホ・通信

田舎で5Gスマホは本当に使える?圏外地帯で実測してみた結果…

はじめに|田舎で5Gスマホは通じる?不安の正体をやさしく解剖

「田舎では5Gが使えないって本当?」「5G対応スマホに買い替えても意味ない?」——そんな疑問は、地方・郊外・山間部に住む人の“あるある”です。都市部での5G(第5世代移動通信)の普及は確かに進みましたが、田舎の体感は別物。この記事では、島根県の出雲市郊外・雲南市・山間のキャンプ場で**iPhone 14 Pro(5G対応)+LINEMO(SoftBank回線)**を使って、Speedtest by Ooklaで通信速度を実測したレビューを軸に、初心者にも分かる形で「つながりやすさ」「速さ」「使い分け戦略」をまとめます。
結論を先に言うと、田舎でも5Gは「使える場所が着実に増えている」が「過信は禁物」。5Gだけに頼らず、4G・Wi‑Fi・光回線・ポケットWi‑Fiなどを上手に組み合わせるのが現実解です。


第1章|田舎で5Gが不安定と言われる理由(仕組みをやさしく)

5Gは「速い=どこでも快適」とは限りません。郊外や山間部で不安定になりやすい背景を、専門用語をかみくだいて説明します。

1-1. 5Gの電波と基地局の“密度”問題

  • 5Gの電波は高周波数になるほど直進性が強く、回り込みにくい性質があります。
  • 都市部は基地局の密度が高く、ビル街でもスムーズにつながりやすい一方、郊外や山間部は基地局間の距離が長くなりがちで、屋内・谷筋・林間では減衰しやすいのが実情です。

1-2. “ミリ波/Sub6/4G併用(NSA/SA)”の違い

  • ミリ波(超高速・超短距離):田舎ではまだレア。主に都市のピンポイント用途。
  • Sub6(中周波数帯):郊外での5G主力。4Gより速いが、エリアは拡大途上。
  • NSA/SA:多くの5Gは当面NSA(4Gと併用)で、途中で4Gへ自動切替することがあります。**SA(5G単独)**が広がるほど遅延や安定性は改善が期待できます。

1-3. 初心者事例

スマホを5G対応に変えたのに、家の中だと4G表示になる。外に出ると5Gに切り替わる。これは屋内減衰近隣基地局のカバー状況が原因で、機種の不良ではないことが多いです。

1-4. 手順(仕組み理解のためのチェック)

ステップ1:契約中のキャリア(例:LINEMO)が5G対応プランか確認
ステップ2:スマホの5G設定がオンか確認(iPhoneは「設定>モバイル通信>通信のオプション」)
ステップ3:屋外・窓際・高い位置での表示(4G/5G)を比較
ステップ4:時間帯(昼・夕方・深夜)で挙動を比べる

1-5. 具体ツール操作

  • Speedtest by Ooklaアプリを入れて、場所と時間を変えて計測→履歴で比較。
  • キャリアのエリアマップ(Web)で自宅・職場・通勤路の5Gカバーを確認。

1-6. 注意点コラム

アンテナ表示が5Gでも必ずしも超高速とは限らない(混雑や周波数・設備構成の影響)。“5G表示=常に爆速”は誤解です。

1-7. ケーススタディ

郊外の戸建て1階では4G、2階窓際で5Gがつかめた例。置き場所の数メートル差で結果が変わることがあります。


第2章|測定エリアと条件(レビューの前提)

今回の実測は、島根県の出雲市郊外・雲南市・山間のキャンプ場で実施。端末はiPhone 14 Pro、回線はLINEMO(SoftBank回線)、計測はSpeedtest by Ookla。時間帯は昼12時/夕方18時/深夜1時で比較しました。

2-1. 実測テーブル(単位:Mbps/ms)

地域時間帯通信種別下り速度上り速度Ping
出雲市郊外昼12時5G42.512.135
雲南市市街夕方18時4G(自動切替)21.79.848
山間キャンプ場深夜1時圏外→4G(低速)5.21.4121

2-2. 初心者事例

「昼は5Gで速いのに、夕方は4Gに落ちる」→自動切替は正常動作。混雑や位置が影響します。

2-3. 手順(再現可能な計測のコツ)

ステップ1:同一端末・同一アプリで計測
ステップ2:同じ場所・同じ持ち方で3回測り平均をメモ
ステップ3:時間帯を変えて最低3スロットで実施
ステップ4:屋内/屋外・高さを変えて追試

2-4. 具体ツール操作

  • Speedtestのサーバー選択を固定して比較の公平性を担保。
  • 計測メモはメモ帳アプリスプレッドシートで管理すると記事化が楽。

2-5. 注意点コラム

VPNやバックグラウンド通信が走っていると計測がブレます。計測時はアプリを閉じ、VPNはオフ推奨。

2-6. ケーススタディ

出雲市郊外のショッピングモール駐車場で5G 40Mbps台、店内フードコートでは4G 20Mbps台に。屋内減衰の典型例です。


第3章|実測レビューの読み解き(何ができる速さ?)

3-1. 体感ベースの評価

  • 5G 42.5/12.1/Ping35ms(出雲市郊外・昼)
    720p〜1080pの動画視聴、SNS、Web会議(人数少なめ)に十分。クラウド作業・大容量アップロードも“待てば完了”レベル。
  • 4G 21.7/9.8/Ping48ms(雲南市・夕方)
    HD動画・SNSは概ねOK。画面共有を伴う会議ではやや不安定な瞬間あり。
  • 4G低速 5.2/1.4/Ping121ms(山間・深夜)
    テキスト中心のナビ・チャット・SNSは可。高画質ライブ配信・オンラインゲームは厳しい。

3-2. 用途別の必要目安(実用レンジ)

  • 720p動画視聴:下り3〜5Mbps
  • 1080p動画視聴:下り5〜10Mbps
  • ビデオ会議(2〜3名):上り1.5〜3Mbps
  • ライブ配信1080p:上り6〜10Mbps
  • クラウド作業(写真アップ):上り5Mbps以上あると快適度UP

3-3. 初心者事例

「SNSは大丈夫なのに、ゲームのマッチングが重い」→ゲームは**Ping(遅延)**が命。速度値だけで判断しないのがポイント。

3-4. 手順(自分の使い方に合うか見極め)

ステップ1:自分がよく使うアプリの要件をメモ
ステップ2:実測値と照合(上の目安)
ステップ3:足りない用途はWi‑Fi・光回線・時間帯シフトで補う

3-5. 具体ツール操作

  • YouTubeアプリの画質設定を「自動→データセーバー」に落として回線負荷を軽減。
  • クラウド保存は夜間アップロード(混雑回避)を活用。

3-6. 注意点コラム

速度は気象・イベント・観光シーズンでも変動。夏休みの観光地は夕方帯が混みやすい傾向。

3-7. ケーススタディ

雲南市の市街地で夕方、4G 20Mbps前後でもYouTube 1080pは概ね滑らか。ただしZoomの画面共有で音声が途切れる場面が数回発生。


第4章|田舎で5Gを活かす端末設定と計測の手順

4-1. iPhone 14 Proの基本設定

  • 設定 > モバイル通信 > 通信のオプション > 音声通話とデータ:5Gオン/5Gオートを選択。
  • データモードは省データモードをオフにしておくと速度検証が素直に出やすい。

4-2. LINEMOの5G対応確認

  • マイページ(Web)で5G対応プランか確認。
  • APN構成プロファイルは最新に(自動設定が基本。トラブル時は再インストール)。

4-3. 手順(安定性を引き出す行動)

ステップ1:窓際・屋外・高所で電波をつかむ
ステップ2:混雑しやすい時間帯を避けて重要作業を実施
ステップ3:Wi‑Fi優先設定(自宅・職場)を有効化
ステップ4:不調時は機内モードON/OFFで基地局再アタッチ

4-4. 具体ツール操作

  • Speedtestの履歴エクスポートでグラフ化(スプレッドシート可)。
  • nPerf/FASTなど複数アプリでもクロスチェック。

4-5. 注意点コラム

モバイルデータ通信のリセット(設定>一般>転送またはリセット>リセット)で改善することも。実施前にWi‑Fiのパスワード等はメモ。

4-6. 初心者事例

自宅で5Gが不安定→ホームルーターのWi‑Fiで固定、外出時はスマホ5Gに切替。場所別最適が結果的に最短ルート。

4-7. ケーススタディ

キャンプ場で圏外→数百メートル移動して見通しの良い高台に行くと4Gを確保、ナビとメッセージ送受信は問題なく運用できた。


第5章|格安SIMと5Gの相性:サブブランドが堅実

今回の主役LINEMO(SoftBank回線)は田舎でも比較的広範囲に5G/4Gを利用できました。格安SIMの中には5G非対応混雑時の速度低下が大きいサービスもあるため、**大手サブブランド(ahamo/LINEMO/povo)**は堅実な選択肢です。

5-1. 選び方の軸

  • 5G対応の有無(サブブランドは原則対応)
  • 混雑耐性(お昼・夕方帯の実測評判)
  • 上り速度の伸び(動画投稿・会議の安定度に直結)
  • テザリング上限/データ容量(キャンプ配信などで重要)

5-2. 手順(MVNO比較の進め方)

ステップ1:候補3社に絞る
ステップ2:“混雑時間帯の実測レビュー”を検索し表に整理
ステップ3:自分の行動圏の5G/4Gエリアマップ
で照合
ステップ4:**短期併用(eSIM)**で実地テスト

5-3. 具体ツール操作

  • eSIM即日開通で、メイン回線とデュアル運用
  • ショートカットで回線切替(コントロールセンターから回線選択が素早い)。

5-4. 注意点コラム

「5G対応」と書いてあっても実効速度は千差万別。表記より実測を最重視しましょう。

5-5. 初心者事例

料金の安さだけでMVNOへ→昼休み動画が途切れがち。サブブランドに戻したら改善。用途と混雑耐性の相性が大切。

5-6. ケーススタディ

LINEMOで出雲・雲南の移動を検証。郊外中心地は5G、山間は4Gへ。サブブランドの基礎体力が安定運用に寄与。


第6章|代替回線と“併用戦略”が最短の快適解

5Gは伸び盛り。当面は4G・Wi‑Fi・光回線・ポケットWi‑Fiを賢く使い分けるのが現実的です。

6-1. 手段の比較(メリット/デメリット)

通信手段メリットデメリット
5Gスマホ高速化が期待、都市寄りは快適圏外や4G落ちがあり得る
ポケットWi‑Fi(4G中心)対応範囲が広い、端末分離速度・上りに限界
光回線超安定・高速、上りも強い工事が必要、地点固定
格安SIM(4G)コスト重視、補助線に最適混雑でブレることがある

6-2. 手順(最適ミックスの作り方)

ステップ1:自宅は光回線+Wi‑Fi 6ルーターで土台を固める
ステップ2:外出はサブブランド5Gを軸に
ステップ3:山間・イベントはポケットWi‑Fiを予備で携行
ステップ4:長期の現地作業は据置型ホームルーターも検討

6-3. 具体ツール操作

  • 家Wi‑Fiは5GHz帯(Wi‑Fi 5/6)を優先。混雑時は2.4GHzと使い分け。
  • ルーター管理画面でチャネル自動最適化を有効に。

6-4. 注意点コラム

上り速度は盲点。動画投稿・ライブ配信重視なら、5Gより光回線の上りを優先して確保するのが安定。

6-5. 初心者事例

在宅は光、外は5Gで完璧と思ったらガレージでWi‑Fiが弱い中継器で死角を解消して快適に。

6-6. ケーススタディ

キャンプ場のライブ配信は上り確保が鍵。5Gが不安定なら720p・ビットレート下げ録画アップロードに切替え成功。


第7章|シーン別のおすすめ使い分け

7-1. 道の駅・ショッピングモール(郊外)

  • 5G活用ポイント:屋外駐車場や吹き抜け近くは良好なことが多い。
  • 手順:到着後にSpeedtestで下り・上り・Pingを1回ずつ測り、配信可否を判断。

7-2. 山間部・キャンプ場

  • 5G⇔4G切替が頻発。見通しの良い高所を探すのが近道。
  • 手順:テント設営前に電波探索→計測→設営位置を決定。

7-3. 災害・停電時の連絡

  • 音声・テキスト優先。画像・動画は後回し。
  • 手順データセーバーON、SNSは低画質送信に切替。

7-4. 具体ツール操作

  • Googleマップのオフライン地図を事前保存。
  • YouTubeライブは720p/3〜4Mbpsに落として安定化。

7-5. 注意点コラム

金属・コンクリ・水は電波の天敵。車内や建物の置き場所で結果が一変します。

7-6. 初心者事例

店内だけ遅い→入口付近2階窓際に移動すると一気に改善。場所替えは最強のチューニング

7-7. ケーススタディ

道の駅で5G 30〜50Mbpsの幅。人の増減で変わるため、配信直前に再計測してビットレート調整が吉。


第8章|つながらない・遅いを直すトラブルシューティング

8-1. 即効性のある対処

  • 機内モードON/OFFで再接続
  • 端末再起動
  • 場所移動(窓際・屋外・高所)
  • ケース・金属干渉の確認(外して試す)

8-2. 手順(設定の見直し)

ステップ1:5G設定がオフになっていないか確認
ステップ2:APNプロファイルの再設定
ステップ3:ネットワーク設定のリセット
ステップ4:他回線(eSIM)で切り替え検証

8-3. 具体ツール操作

  • SpeedtestのPing値でゲーム適性を判断(50ms以下を狙う)。
  • nPerfのカバレッジマップやキャリア公式マップで移動方向を決定。

8-4. 注意点コラム

省電力モードは通信性能を落とすことがある。重要作業時はオフに。

8-5. 初心者事例

夕方だけ極端に遅い→時間帯シフトで解決。夜間にアップロード、日中は閲覧中心に。

8-6. ケーススタディ

雲南市で上りが伸びない時間帯に遭遇。Wi‑Fi(光回線)へ退避してクラウド同期を完了。


第9章|田舎の5Gで“損しない”コスト最適化・節約ワザ

9-1. データ消費のコントロール

  • 動画アプリは画質を固定(720p)
  • SNSは自動再生オフ
  • クラウド同期はWi‑Fi接続時のみに設定

9-2. 手順(請求ショックを防ぐ)

ステップ1:データ残量ウィジェットをホームに配置
ステップ2:月初に上限アラートを設定
ステップ3:テザリング上限の把握と配信時のビットレート管理

9-3. 具体ツール操作

  • iPhoneのスクリーンタイムで“動画時間”を可視化。
  • ルーターのトラフィック統計で端末ごとの消費を見える化。

9-4. 注意点コラム

5Gは電池消費が増える傾向。長時間外出はモバイルバッテリー必携。

9-5. 初心者事例

家族の動画視聴で月末にギガ不足→自宅は光+Wi‑Fiへ誘導し、スマホ回線は外出時に温存。

9-6. ケーススタディ

キャンプ場での長時間ライブは事前収録+短時間ライブに切替。データと電池、両方の消費を半減できた。


FAQ(よくある質問)

Q1. 田舎だと5Gは全然使えないの?

A. 「全然使えない」は言い過ぎ。郊外の中心地や幹線道路沿いでは5Gに接続できる場面が増えています。ただし山間・屋内では4Gや低速に落ちることがあるため、併用戦略が現実的です。

Q2. 5G対応スマホに買い替える意味はある?

A. あります。対応エリアでは体感が良くなり、将来のエリア拡大の恩恵も受けられます。とはいえ、回線プラン(サブブランド等)と現地のカバーを合わせて判断を。

Q3. LINEMOなどサブブランドで5Gの恩恵は受けられる?

A. 受けられます。今回の実測でもLINEMOは郊外で良好に利用できました。混雑時間帯の実測評判も必ずチェックしましょう。

Q4. オンラインゲームやライブ配信は田舎5Gでいける?

A. いける場面はあるものの、Pingや上りが鍵。安定を求めるなら光回線が第一候補。外出先は画質やビットレート調整で対処を。

Q5. 5G表示なのに速くないのはなぜ?

A. 周波数帯・設備・混雑・屋内減衰など複合要因。表示=常に爆速ではありません。計測アプリで下り・上り・Pingを実数で把握しましょう。

Q6. キャンプ場で“圏外→少し移動で復活”は本当?

A. 本当です。見通し高度で劇的に変わることがあります。テント設営前に電波チェックが鉄則。

Q7. 家の中だけ遅い。改善できる?

A. ルーターの置き場所(窓際・高所)や中継器で改善可能。5GHz/2.4GHzの使い分けも効果的。

Q8. 5Gで電池が減るのが早い…

A. 長時間の5G通信は電力を使いがち。省電力モード/画質制御/モバイルバッテリーで運用を工夫しましょう。


まとめ|田舎の5Gは「使えるが過信は禁物」——賢い併用が最短ルート

島根の出雲市郊外・雲南市・山間キャンプ場での実測では、郊外の中心地で5G 40Mbps台、夕方は4G 20Mbps台、山間では4G低速という結果でした。動画視聴・SNSは十分でも、オンラインゲーム・高画質ライブ配信・重いクラウド作業は場所と時間の影響を強く受けます。
現状の最適解は、5G+4G+Wi‑Fi(光回線)+ポケットWi‑Fiのミックス運用。サブブランド(ahamo/LINEMO/povo)を軸に、場所・時間帯・用途で**“切り替え”**る習慣を持つだけで、田舎のモバイル体験は一段アップします。

最後にもう一度、超シンプルにロードマップ:

  1. 自宅は光+Wi‑Fi 6で土台を安定化
  2. 外出はサブブランド5Gを軸に、計測アプリで判断
  3. 山間やイベントはポケットWi‑Fiや予備回線を持つ
  4. 画質・ビットレート調整時間帯シフトで“勝てる条件”を作る

これだけで、田舎でも**「使える」から「使いこなす」**へ。5Gのエリアはこれからも伸びます。拡大を待つだけでなく、今日からできる工夫で、暮らしと仕事の通信ストレスをガクッと減らしていきましょう。
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